YKK農園は、ファスナーや建材で知られるYKKグループのブラジル現地法人が手がけるコーヒー農園です。
この農園が誕生したのは、ブラジル政府からの投資打診がきっかけでした。1972年にファスナー事業でブラジル進出を果たしていたYKKグループは、1985年、セラード高原の開発プロジェクトの一環として農場経営を開始。当初は痩せた酸性土壌に苦しみながらも、サンパウロ大学のコーヒー学博士の指導のもと、牛や豚の飼育を活用した堆肥作りや土壌改良を重ね、コーヒー栽培を軌道に乗せました。
農園の面積は約3,300万坪(山手線の内側の約1.6倍)。そのうちコーヒー園は約70万坪におよび、育苗から収穫、精選、乾燥、袋詰め、輸出まで一貫した生産体制を確立。徹底した品質管理のもと、毎年600トンのコーヒー生豆を収穫し、その一部を日本に輸出しています。
特筆すべきは、ブラジルでは珍しいウォッシュド(水洗式)精選を採用していること。果実を取り除く過程で2段階の選別と発酵工程を経ることで、クリーンでバランスのとれた味わいが生み出されます。品種はレッドカトゥアイとイエローカトゥアイの2種類を栽培。特にイエローカトゥアイは、日本国内では希少な品種として注目されています。
環境への配慮もYKK農園の特徴のひとつ。農場で飼育する豚には自家栽培のトウモロコシを飼料として与え、そこで得られる肥料とコーヒーチェリーの果皮を混ぜた自家製有機肥料を活用。隣接するコーヒー農園がなく、病害虫の影響が少ないため、農薬の使用も最小限に抑えられています。
「一本の苗木から一杯のコーヒーまで」。 品質へのこだわりを貫きながら、農園の繁栄と地域社会への貢献を目指すYKK農園。
その想いが詰まった一杯を、ぜひ味わってみてください。
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